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マグカンさんの作品:【第八十二回】俳優 中須翔真さん

関西にいる「シュッとした」人たちから「シュッとした」お話を聞きたくて始めた、MAGKANインタビューコーナー!

第八十二回は、

俳優の中須翔真さん! 今月、出演作『 海辺へ行く道 』の劇場公開も控える中須さんの初のロングインタビューです!

 

NHKの連続テレビ小説『スカーレット』で共演した松下洸平さんが憧れです

──今日はインタビューを引き受けてくださり、ありがとうございます! よろしくお願いします!

中須(以下、N): もう子役という歳ではないですし、こういう取材は初めてでめちゃくちゃ緊張してるんですが、よろしくお願いします…!

──ではテストが終われば夏休みですね…! 夏休みは撮影スケジュールが入っているんですか?

N: しばらく撮影で学校を休んだりする期間が続いていたので、この夏は塾に行かないと…。勉強はできないし、嫌いなんですけど(笑)

──学業との両立は大変ですよね…。中須さんがお芝居の世界に入ったきっかけは何だったんですか?

N: 両親が、スタジオアリスのモデルに応募してくれたことが始まりです。そこで今の事務所から「演技のレッスン、やってみませんか?」って、声をかけていただいて、この世界に入りました。

──その当時、憧れの俳優さんはいらっしゃったんですか?

N :当時はいなかったんですけど、小学校3年生の頃にNHKの連続テレビ小説『スカーレット』で共演した松下洸平さんが僕の憧れです。撮影中、めちゃくちゃ優しくしてもらったし、休憩時間に陶芸を教えてもらったんですよ。一緒に茶碗を作って、今もずっと大事に使っています。

──今は芸歴何年目になるんですか?

N: 小学校2年生の時が初めての撮影だったと思うので…7年目ですかね。

──初めての撮影のことは覚えていますか?

N: はい。木曜ミステリー『遺留捜査』(テレビ朝日)で病気の子の役をやりました。台詞がない役だったんですけど、ものすごく緊張しましたよ! 僕は小っちゃい頃からテレビが好きで、NHK・Eテレの『おかあさんといっしょ』を観ながら、テレビの前でおしりを振って踊っているような子だったらしくて。そのずっと観てきたテレビの中に自分が入れるんだというワクワクと、緊張しすぎて「どうしよう…」っていう感情が混ざっていて…。そのことは今でも覚えています。

──その時、自分なりに良い演技ができたなとか、達成感はあったのでしょうか?

N: あの頃は手応えあったと思います(笑) 今観たら「もうちょっと出来たんじゃないの?」って感じると思いますけど、初めてにしては…できていたんじゃないかなと(笑)

──自分が出演したドラマや映画は、完成してから何回も観て研究されたりするんですか?

N: 全っ然、観ないです。リアルタイムで一回観て、終わり! みたいな感じです。自分の演技を観るのは恥ずかしくて(笑)

 

役に応じて何かを練習したり習得するのは大変といえば大変ですけど、いろんなことを経験できるのは面白い

──演じる中で楽しいなと思う瞬間ってありますか?

N: 監督さんやスタッフさん、共演者の方たちと話している最中だったり、その人たちに「すごい良かったよ!」と褒めてもらえる瞬間は、やっぱり嬉しいし、楽しかったりもします。

──では、逆に大変だなと感じることはありますか?

N: あまり大変って思うこともないんですけど、昨年放送されたNHKの特集ドラマ『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で演じた小沢拓人という役はスケボーが好きな男の子の役だったので、撮影が始まる一ヶ月ぐらい前からスケボーの先生と練習を始めました。僕は運動音痴なので大変でしたね。スケボーに乗ることも初めてだったんで。

──なるほど。これまでやったことのないスケボーの練習を始めて、スケボーが楽しいなという気持ちは生まれましたか?

N: そう、スケボー楽しいなって思いました! 役に応じて何かを練習したり習得するのは大変といえば大変ですけど、いろんなことを経験できるのは面白いです。あと…あの撮影は他にもいろいろと重なったこともあって、メンタル的に結構大変な撮影で…。マネージャーさんが「誰かに声を掛けてもらったら中須は頑張れるんじゃないか…」ってなったらしく、松下さんのマネージャーさんを通して、「頑張れ!」っていうメッセージをもらって、ちょっと回復しましたね。

──憧れの人からの応援は沁みますね…。

N: なかなか会えないですけど、また早く共演できるように頑張りたいです。

──大変といえば、関根光才監督の映画『かくしごと』でも、非常に難しい役を演じられていましたね。役の気持ちに入るためにやっていることや意識していることはありますか?

N: 役の気持ちに入るときは、まずその台本をしっかり読んで、その人物がどんな人なのか、自分である程度調べながら人物像を固めていきます。家族にも台本読んでもらって、「どう思う?」って話し合って、「じゃあこういう人物なのかな…?」っていうのをインプットしてから現場に行き、あとは雰囲気に合わせて…という感じです。でも関根監督の『かくしごと』では、台本がなかったんですよ。

──たしか舞台挨拶でもおっしゃっていましたね…! それは本当にその場で「こういう台詞で、こういう動きをしてね」と言われるんですか?

N: そうなんです、台本は渡さないと言われて本当にびっくりしました。渡さない方が、僕が生き生きと演技ができるだろうということだったんですけど…。「自由にしていいよ、中須くんの好きなように」って言ってくれて。他の監督さんにもそう言ってもらうことは多いんですけど、台本も貰わずにって言うのは初めてだったので衝撃だったのもあるし…なんて言ったらいいのか…。

──「好きなように、自由にやっていいよ」って言われることに対して、プレッシャーなどは感じませんか?

N: プレッシャーはもちろんあるんですけど、そこまで気にならないです。特にこの撮影では台本を渡されないことに対しての「ええ!?」っていう気持ちが強かったので(笑)

──でもラストでのお父さんとのシーンはかなり衝撃的でしたよね。

N: その場で言われて、「うええ⁉」となりましたよ(笑) ああいうシーンはやったことなかったし…。なんかスタッフさんたちが準備しているなとは思っていましたけど(笑)

──衝撃のラスト、まだご覧になっていない方はぜひご覧ください…!

 

暗い演技だったら任せてください!

──8月に公開される、横浜聡子監督の映画『海辺へ行く道』について伺いますが、演じられた「立花良一」という役は、オーディションで決まったのでしょうか?

N: はい、オーディションで決まりました。できる役は全部やろうと思っていますし、確信はなかったんですけど手応えはあったので、受かった時は「よしっ!」って思いました。

──中須さんはご自身で、どういう役や演技が得意だと思いますか?

N: ああ…難しいなあ。でも…暗い演技だったら任せてください!

──暗い演技⁉

N: 逆に明るいキャラクターは、自分があんまり明るくないので…(笑)

──そうなんですか?(笑)

N: 明るくない訳じゃないけど、その…クラスのカースト1位みたいな役は無理(笑) なんかちょっと裏があるようなキャラクラーとかなら得意というか、演じやすいんですけど…。

──中須さんは学校でもそういうタイプなんでしょうか?

N: クラスをまとめ上げているようなグループにはいないですね(笑)

──学校のご友人から、出演作の感想をもらうことはありますか?

N: 言ってくれる人ももちろんいるし、舞台挨拶の様子がニュースで流れたときに、友達から「お前、なんかニュース映ってたなあ!」「朝ご飯食べてたら、お前が出てきてビビったわあ」という連絡が来たりはありました。

──なんだか地元の友達という感じがしていいですね! では少し話を戻しまして、『海辺へ行く道』の撮影中の出来事で、何か印象に残ってることはありますか?

N: 撮影自体は一昨年の夏から秋頃だったので、もう結構前なんですけど、撮影が休みの日や、撮影が午前中で終わるときは、主演の原田琥之佑くんと一緒に、近くにある商業施設によく行っていました。ゲームセンターとか温泉、レストランとかが入っていたんで、だいたいゲームセンターでお金使って、終わったら温泉に入るみたいな休日を過ごして、楽しかったです。

──撮影地はどこだったんですか?

N: 小豆島です。あんなに親と離れて、長いこと同年代の人と一緒にいるみたいなの初めてだったんで新鮮でした。

──作品の魅力を教えていただけますか?

N: この映画はいろんな人がいろんな人と関わりあって、いろんなことが生まれる海辺の街を題材にした映画で、何も考えずに観てくれた方が面白いかなって個人的には思っています。観る人によって感じ方が変わる、そういう映画なんで。

──先ほど、ちょっと暗めの役の方が、自分は向いているとおっしゃっていましたが、予告編を観る限りでは、今回の役は明るい子なのかなと感じましたが、演じられてみていかがでしたか?

N: いや、明るい…子なんですけど、その…。あれ? あのシーンって予告編に映ってましたっけ?

──えっ⁉

N: うーわ、映ってないですね。…っていうことで(笑)

──え!? ちょっと抱えてるものがある役なんですかね…き、気になります!

N: 8月29日公開なので、ぜひ劇場で確かめてみてください!(笑)

 

ゲームを通じて友達が出来てからは、楽しくて毎日のようにしていますね

──プロフィールに、料理とピアノが趣味って書いてありましたが、料理はよくやられるんですか?

N: 料理は興味はありましたし、将来的にもできた方が良いんじゃないかなと思って、お母さんに教えてもらったりしています。

──得意料理はありますか?

N: 得意料理…は、まあ特にないんですけど、強いて言うなら…味噌汁ぐらいだったら上手いこと作れます(笑) あとライスペーパーを水に濡らして、塩をかけて、海苔を破ってペタペタ貼って、電子レンジでチンすると、パリパリの煎餅みたいになるんですよ。だから、ダイエットしてるっていうか、ちょっとお腹がふにゃっとしてきたなってときは、お菓子の代わりに作って食べています。

──それは中須さんがオリジナルで考えられたレシピなんですか⁉

N: オリジナルで考えたんですけど、YouTubeで調べたら普通にありました(笑)

──発想力がすごいです!(笑) でもそうですよね…子役とはいえ、役作りのためにダイエットすることもありましたよね…。

N: 役によってはそうですね。例えば、映画『かくしごと』では虐待を受けている子の役だったんで、太ってたら説得力がないので。だから痩せなきゃと思ってたんですけど、その時はちょうどコロナに罹って痩せちゃったんで、ダイエットせず撮影できました。

──ピアノは昔からやられているんですか?

N: ピアノは中学で始めたので、そんなに…ですね。昔から音楽が好きで、いつも歌とか歌っている子だったんで、音楽というか楽器に触れてみたいと思って始めたんですけど、学校も忙しいし、撮影もあるしで、半年ぐらいで教室は辞めちゃって…。趣味から消しとかなきゃですね…。消します! 本当にピアノ弾けるんだったらやってくださいって役が来ちゃう前に!

──(笑) では、普段のリフレッシュ方法などはありますか?

N: いつもゲームしてるか、撮影してるか、学校行ってるかみたいな感じなんで…。

──どんなゲームをされるんですか?

N: FPSっていうシューティングゲームですね。小っちゃい頃からスマートフォンのゲームとかNintendo Switchをやっていたんですけど、中学校1年の頃にスパイダーマンのゲームがやりたくて、プレイステーション5を買ってもらいました。そこから『モンスターハンターワイルズ』とかもやり出して、学校の友達と一緒にプレイするようになって、最近は『VALORANT』っていうゲームを、みんなでやっています。

──友達とコミュニケーションを取りながらプレイするのが楽しいという感じなんですかね?

N: はい、お互いバカにし合いながら(笑) 僕は友達がいない訳ではなかったんですけど、友達ができにくいタイプだったんすよ、小学校まで。でも、ゲームを通じて友達が出来てからは、楽しくて毎日のようにしていますね。いや…毎日のようにじゃないな、毎日しています(笑) ヘッドショットが決まった時の快感は何ものにも代えられないですね。気が付いたら「もう夜中やん。今日オールする?」って(笑)

──オール! 元気ですね!

N: 夜中のカップラーメンとかも最高なんですけど…背を伸ばしたいのにダメですよね(笑)

──成長期ですからね!(笑) では最後に、今後の目標について教えてください。やってみたい役などはありますか?

N: もう一度、松下洸平さんと共演したいっていうのと、大河に出たいという目標はあります。

──大河ドラマはよくご覧になるんですか?

N: そうですね、戦国時代が好きなので『どうする家康』は同じく戦国時代が好きなお父さんと一緒に観ていて、面白いなぁって思って。小っちゃい頃から出てみたいと思っています。

──大河でのご活躍が観られる日を楽しみにしています!

 

Q.「シュッとしてるもの」って何だと思いますか?
N: ブルーインパルスですね。この前、万博でブルーインパルスの展示飛行があって、大阪の吹田市にある万博記念公園に観に行ったんですよ。かっこよかったですね~! 飛行機とか電車とか、乗り物が特別好きな訳じゃないんですけど、ブルーインパルス見た時はずっと「かっけぇ…!」ってなって。
──あの一糸乱れぬ連携はすごいですね。
N: 空もちょうど真っ青で雲も少なくて、写真映えしてましたね。
Q.自分の名前で缶詰を出すとしたら、中に何を詰めますか?
N: 難しいな…(笑) 他の方のインタビューを読んだら、自分にちなんだものを言っている人が多かったですけど、僕…何にもないんですよね(笑) でも…いつも朝起きてゲームするみたいな感じなんで、ゲーム機ですかね。最新のゲーム機があったら、みんな嬉しいんじゃないかなって(笑)

 


中須翔真


大阪府出身。2011年生まれの現在中学3年生。2018年にデビューし、近年は映画『さかなのこ』(沖田修一監督)や『かくしごと』(関根光才監督)など、話題作に多数出演。8月29日から『海辺へ行く道』(横浜聡子監督)の公開が控えている。好きな漫画は『ONE PIECE』(集英社刊)。

撮影:青谷建

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5日前