

関西にいる「シュッとした」人たちから「シュッとした」お話を聞きたくて始めた、MAGKANインタビューコーナー!
第四十三回は、
年間約360軒もの飲食店を食べ歩く グルメライターの大伴ゆめさん !オススメの飲食店や、グルメライターとしての活動についてお話をうかがいました!
「大伴ゆめ」さんって?
OLとして働きながら、年間約360軒もの飲食店を訪れる人気グルメライター。和食、洋食、中華とジャンルを問わず関西のグルメ情報を発信中。Twitterのフォロワー数は 2.3万人(2022年4月現在)。

夜だけで3~4軒は行っていました
──年間約360軒もの飲食店に行かれているそうですが、普段はどれくらいのペースでお店に行かれているんですか?
大伴(以下、O): 今は新型コロナウイルスの影響もあって、ランチとディナーで1軒ずつ食べに行くことが多いです。若い頃は焼肉を食べた後にお寿司を食べに行ったりしていたので、夜だけで3~4軒は行っていましたけど(笑)
──そんなに!? それで体は壊されないんですか…?
O: 今のところは大丈夫です(笑) でも最近は代謝が落ちてきたと感じているので調整しないといけません…。
──食事の際はお酒も飲まれるんですか?
O: そこのお店がお酒を推していればお酒に合わせて料理を選んだりもしますけど、お酒を飲むことよりも食べる方が好きなので、基本は食事優先です。
──体型維持のために普段から運動されていたりするんでしょうか?
O: 正直あんまり…。なので今が最高潮です(笑) ジムも続かないし、走るのは嫌いなので…。でも最近は上司から「体動かした方が良いんじゃない?」って言われるので、たまにヨガだけは行っていますね。

口コミは見知らぬ誰かの主観
──Twitterを中心に関西のグルメ情報を紹介されていますが、どういう基準でお店を選ばれているんですか?
O: 私がその時に食べたいものっていうのが一番の基準ですね。あとは誰と食べに行くかというのも重要です。デートだったら雰囲気が良いところに行きたいですし、気心の知れた友達とだったら立ち飲み屋に行きたいですし。
──確かに利用シーンによって選ぶお店は変わってきますよね。行きたいお店はどうやって情報を収集されているんでしょうか?
O: 家も職場も大阪市内なので、普段の生活の中で新店の情報はキャッチアップしやすい環境だと思います。WEBで検索したりもしますけど、私の周りには食べることが好きな人が多いので、周りと情報交換してお店を知ることも多いですね。
──ズバリ美味しいお店選びのコツがあれば教えてください!
O: コツ…とは言えないかもしれませんが、WEB上でお店を調べるときは確認しているポイントが3つあります。1つはGoogle Mapの口コミ、2つ目は食べログの評価、3つ目はインスタです。ただ、あくまでも参考程度にしているだけで、評価が低くても訪問するお店はあります。口コミは見知らぬ誰かの主観だと思っているので、ネット上での評価は低いけど実際に行ってみたらすごく好みのお店だった、ということもありましたし。やっぱり、美味しかったとか良かったっていう感覚は人それぞれなので、私が紹介したお店の印象や味が良くなかったとしても、それもお店に行く一つの価値だと思っているので、自分の発信がお店を訪れるきっかけになればと思っています。
──なるほど。では、グルメの流行は気にされていますか?
O: 私はあまり気にしていないので、他のインフルエンサーさんの方がしっかりキャッチアップされているなと思います。私はマリトッツォがこんなに流行るとは思っていなかったですし(笑)

文章を活かしてお店のことを発信できたら
──料理の写真がすごく綺麗ですが、カメラにはこだわっているんですか?
O: あれ、全部iPhoneなんですよ(笑)
──え、そうだったんですね! 彩りも綺麗なので、てっきりカメラかと…。撮影するときのコツはあるのでしょうか?
O: プロの方々は料理を綺麗に撮るための手法をいろいろとお持ちだと思うんですけど、私は素人なので、とにかくその料理の「質感」が伝わるようにしたいなと思って撮影しています。
──インスタとTwitterを主に更新されているかと思いますが、投稿している写真が違っていたり、取り上げ方が異なりますよね。どのように使い分けをされているんですか?
O: 確かに、紹介方法は媒体によって変えるように意識しています。一番力を入れているのはTwitterなんですけど、Twitterは140字しか文字が打てないので伝えられる情報が限られてきますよね。なので、一番大事な情報であるお店の「場所」と「ジャンル」を伝えた上で、そのお店の魅力がいかに伝わるかを考えて文章を書いています。インスタグラマーさんだったら写真に力を入れると思うのですが、私はグルメライターなので、ちゃんと文章を活かしてお店のことを発信できたらと。逆にインスタではTwitterで書き切れなかったことを補足的に書いたり、何か食に関する体験をしたときに使ったりしています。
──では、SNSでグルメ情報を発信する上で、インスタ映えは意識されていますか?
O: 見た目が可愛いものって流行りですし、いろんな飲食店さんがインスタ映えを考えられていると思います。でも、実際にそういう目線で選んだ店に行くと「味にはあまりこだわっていないのかな…」と思うこともあったりするんですよね。だから私は美味しさとコスパ重視でお店を紹介したいと思っていて、自分なりの推しポイントがあるかどうか、という点も発信する際は大事にしています。
──Twitterを拝見したところ、結構ガッツリ系のご飯を紹介されていることが多い印象を受けました(笑)
O: そうですね、私のSNSをフォローしてくれている方に男性の方が多いのはそのせいかもしれません(笑)

『魚感うえさき』と『谷口今川焼店』
──本当は紹介したいけど紹介できないお店を可能であればこっそり教えてください…!
O: 紹介できない店はないんですけど、人気店になって欲しくないなと思ってる店はいくつかありまして(笑) 今はかろうじて並んでいないんですけど、大阪の本町駅の近くに『魚感うえさき』っていう海鮮がすごく美味しいお店があるんです。夜は接待とかで使われるようなお店なんですけど、ランチは1500円で食べられるんです! ランチにしてはちょっとお高いですけど、メインはお造り、天ぷら、煮魚、焼き魚から選べて、こだわりのお豆腐とか手作りの漬物もあって…。で、ご飯はかまど炊きなんですよ!
──かまど炊き! 良いですね、お話を聞いてるだけでお腹が空いてきました(笑)
O: わりと量があるので女性はかなり満腹になってしまうと思いますけど本当にオススメです。13時ぐらいに行くと比較的空いていると思いますよ!
──貴重な情報をありがとうございます! 今ご紹介いただいたのは大阪市内のお店ですが、今後開拓していきたいエリアはありますか?
O: 今のところ、奈良と京都は全然開拓できていないので、もっと攻めていきたいですね。兵庫も仕事終わりに行くのはちょっと遠いので、休日に友達を訪ねがてら行ったり、実家に帰るときに行くようにはしています。兵庫ももっと開拓したいんですけど…。
──ご出身は兵庫県なんですね。どのあたりですか?
O: 豊岡出身です。
──では、豊岡に思い出のお店などはありますか?
O: JR豊岡駅の近くにある『谷口今川焼店』のかき氷です。私が小さい頃から通っているお店で、普段は今川焼のお店なんですけど、夏はかき氷屋になるんです。いつもは今川焼のお店なだけあってトッピングの金時がすごく美味しくて…。私のおじいちゃんの世代からずっと地元に根付いている味なんですよ! 思い出の味っていうのも加算されているかもしれませんけど、もう格別だと思っています!
誰かの人生に温かい記憶として残るようなものを作りたい
──今後、ライターとして挑戦したいことってありますか?
O: ぼやっとしているんですけど、生きた証は何か残したいなって思っていて(笑) で、自分に何ができるかなって考えたときに、絵本を作りたいなと…。
──えっ!? 予想外の回答が返ってきました(笑)
O: 自分が小さい頃にすごく好きだったゲームがあるんですけど、『MOTHER2 ギーグの逆襲』(任天堂)ってご存知ですか?
──もちろん知っています! 大好きなゲームです!
O: 最初は父がプレイしているのを訳も分からず見ていたぐらいだったんですけど、いつの間にか暇なときは一人でやるようになっていて。その時の記憶が大人になった今でも心に残っているんです。小さい頃に触れたモノが大人になっても心に残っていることって皆さんありますよね⁉ だから、そういう誰かの人生に温かい記憶として残るようなものを作りたいんです。
──でも、なぜ絵本なんでしょうか?
O: 私はゲームは作れませんが、絵を描くことと文章を書くことは好きなので、それならグルメライターならではの目線で食に関わる絵本を書けたら面白いんじゃないかなって。
──なるほど。いつか拝読できるのを楽しみにしています!

Q.「シュッとしてるもの」って何だと思いますか?
O: 自分の軸を持っている人がシュッとしているなと思います。「かっこいい」っていろんな形があると思うんですけど、自分の軸があるからこそ個性も出るし、自分の味が出るのかなと思います。飲食店に通っていても感じるんですけど、やっぱりお店の個性がないと印象に残らず、これだけ多くの飲食店が立ち並ぶ関西では生き残れないんですよね。だからお店も人も、軸が大事だと思います。
Q.自分の名前で缶詰を出すとしたら、中に何を詰めますか?
O: 自分の培ってきたものを入れたいなって思うので、私がオススメする飲食店の味を味見できるようなものを…。例えば、缶の中にいろんなお店の味がする飴がたくさん入っていて、それを食べると私がその料理を食べたときの記憶や風景が体験できたら良いなと思います。
──ただ味見ができるだけではなく、大伴さんのフィルターを通していろんなお店の味を体験できる…。面白いですね!
O: 利用シーンに合わせてデート缶、立ち飲み缶、接待缶みたいに、色んなバリエーションができたら楽しそうですよね!
大伴ゆめさん

兵庫県豊岡出身。普段はOLとして働く傍ら、関西のグルメ情報を発信する人気グルメライターとしても活動中。好きな漫画は『将太の寿司』(講談社刊)、『NARUTO -ナルト-』(集英社刊)、『ドラゴンボール』(集英社刊)など。
