

関西にいる「シュッとした」人たちから「シュッとした」お話を聞きたくて始めた、MAGKANインタビューコーナー!
第四十四回は、
今年で結成12周年を迎えた 東京女子流さん !この12年を振り返るとともに、今の東京女子流についてうかがいました!
「東京女子流」とは?
2010年結成の山邊未夢・新井ひとみ・中江友梨・庄司芽生からなるダンス&ボーカルグループ。幅広いジャンルを取り入れてハイクオリティな楽曲を発表し続け、今年の8月には約7年ぶりとなるフルアルバムをリリース予定。日本のアイドルポップスシーンを先導する人気グループ。
東京女子流は自分の一部
──2010年のデビュー当初、みなさんは小中学生だったんですよね。今年で12年目に突入しましたが、当初と比べて、お互いの存在はみなさんの中でどのように変化していますか?
山邊(以下、Y): この12年の中でみんなの呼吸が揃ってきたなと感じます。最初に出会ったときはみんな人見知りを発揮していて、大阪出身の友梨だけがみんなに喋りかけていた記憶があります(笑) そんな出会いから12年経った今は、もう家族よりも一緒にいる時間が長いので、喋らなくてもみんなが何を考えているか阿吽の呼吸で分かるようになりました。それは普段の会話の中だけではなく、昔だったらライブでちょっとしたアクシデントあると「うわあ~」ってなって臨機応変に動くことができなかったんですけど、今は自然と「1番前にいる子がこう動いたから、私はこうしよう!」とか、それぞれがお互いを信頼しているからこそ動けるようになりました。
──中江さんは最初にみなさんと出会ったときのことを覚えていますか?
中江(以下、N): 確かに未夢が言ってくれたように私は誰にでもフレンドリーなタイプなので、当時隣にいた芽生に「芽生ちゃんって呼んでいい?」とかグイグイ話しかけていたと思います(笑) 今はこの年齢になって、当時よりも他のメンバーが何を考えているか深く考えるようになりましたし、分かるようになりました。でもその一方で、「え、何その顔! 初めて見た…!」っていう瞬間は今でもありますね。
──その瞬間はどんなときに感じるんですか?
N: 特にライブ中が多いです。あとはこうやって取材をしていただいている時とか、ラジオをやっている時とかに「あ、こういうこと言うようになったんだな~」って思うこともよくありますね。

新井(以下、A): 私はよく主語が抜けてしまって、自分で話していても「…はて?」ってなる時がよくあるんですけど、何気なく話したときにメンバーから「そうだよね~」って返ってくると「あれ? 今の話、主語がなかったのに伝わったんだ…」って思う時があるので、みんな分かってくれてるんだなって思います(笑)
N: ひとみは話したいとか、聞いて欲しいっていう気持ちが先行しちゃうんだよね、きっと(笑)
庄司(以下、S): でも、ひとみはソロでも活動していて、そのライブを見させてもらうと、ライブ中のMCはすごくしっかり話しているんですよ。「大丈夫かな…」って心配して見ていても「え、いつもより上手く喋ってる!」って驚くことがあります(笑)
A: それよく言われるんですけど、グループでのライブMC中は「誰かが助けてくれる」っていう安心感があるのに比べて、ソロのライブだと自分しかいないからMC中はものすごく緊張していますよ…。
──その新井さんの緊張はみなさんには伝わっていないんでしょうか?
S: 全然伝わってこないです! ひとみは4人の中で最年少っていうのもあって末っ子キャラなんですけど、ひとみが一人で頑張っている姿を見ていると「わあ、大人になったなあ。しっかりしてるなあ」って思います(笑)
A: えー! そんなこと思うんだ(笑)

──庄司さんはデビュー当初と今を比べて、何か変化を感じる部分はありますか?
S: 結成から12年経って、自分の人生の一部になってきたなという感覚をすごく感じるようになりました。私は元々芸能界を目指していた訳でもなかったので、グループ結成当初は急に知らない世界に紛れ込んでしまったな、という感覚がありつつ、友達が学校で部活をしているように、私は校外で部活をやっているっていう気持ちでした。でも、ひとみが今年で人生の半分を東京女子流で過ごしていることになったんですけど、私ももうすぐ自分の年齢の半分を東京女子流として活動していることになるので、感覚だけではなくリアルな数字としても、東京女子流は自分の一部だという感覚が大きくなったと感じています。

パズルのピースがハマった感じ
──プロフィールを見ると、リーダーやおしゃべり担当など、みなさんはそれぞれ役割を決めていらっしゃいますが、これはみなさんで話し合って決められたのでしょうか?
S: 最初に誰をリーダーにするか、というような部分は当時のスタッフさんが決めて下さったんですけど、最近は自分たち自身がそれぞれの立ち位置を理解し合って、役割っていうよりは補い合っている感じがしますね。
N: 役割でいうと、最近のMCはリーダーである芽生が全体をまとめてくれる中で、話が脱線したらしっかり戻してくれる冷静な未夢、自由に感情のままに話すひとみ、ボケたり突っ込んだりする担当の私、という立ち位置がハッキリして、上手くまとまった気がします(笑)
──適材適所と言いますか、自然とみなさんの位置が定まったんですね。
S: パズルのピースがハマった感じですね。特にMCに関してはデビュー当時からの課題のひとつで、それぞれの役割をガッチリ決めてみたり、試行錯誤を繰り返してきたんですけど、やっぱり自然体でいられるこの立ち位置がやりやすいですし、お客さんも楽しんでくれているなって感じます。
Y: MCだけではく歌も同じで、それぞれ得意な音域があるので、当初と比べるとグループとしてみんなで補い合いながら1曲を作っている感じが強いです。だから曲ができる度に感動するんですよ。「ああ、みんなで作り上げたんだ…」って。
──12年経っても純粋にそう感じられるのは素晴らしいことですね!
A: 毎回レコーディングは楽しくて、録り終わったあとはまずみんなで一緒に聴くんですけど、楽曲によってメンバーの声色が違うというか、「このパート、こういう歌い方したんだな」とか「この曲にこんな色の付け方をするんだ」とか、毎回新しい発見があるので聞いていても楽しいですし、そういう曲に合わせた表現方法も、12年の中で広がってきたのかなって思います。

今の東京女子流がギュッと詰まっている
──今レコーディングのお話がありましたが、8月に約7年ぶりとなるアルバムをリリースされますよね。どんなアルバムになりそうですか?
Y: 今回のアルバムに向けて作られた曲はファンの人も楽しめるけど、音楽を聴くことが好きなみなさん全員が思わず何回でもリピートし続けてしまう、そんなアルバムになっています! 前作から7年が経ち、私たちもすっかり平均年齢25歳の大人グループになったので、曲も衣装も大人な雰囲気たっぷりのおしゃれなアルバムを楽しみに待っていほしいです!
──では、他の皆さんからも今回のアルバムについて一言ずつお願いします!
A: 6枚目となるオリジナルアルバムの発売は、前回のアルバム『REFLECTION』の時とは違う表現・声・パッションの私たちが、様々なジャンルの楽曲に挑戦しながら制作してきました。今の東京女子流がギュッと詰まっているので楽しみに待っていてください。
N: 私たちのアルバムが出るのは本当に久しぶりなのでとても嬉しいですし、なにより私たちの声色や音楽をまた新たに作品として刻めると思うと、とても感動しています。4人の声が重なった時、4人それぞれの声が私は大好きです! 今の私たちが届ける音楽をたくさん感じていただけると思いますので是非楽しみにしていてください。
S: 手に取ってくださった方が心躍らせながら聴き進めていただけるアルバムになりそうですし、約7年ぶりのオリジナルアルバムということで、制作期間ではメンバーの新たな一面、そして自分自身の新たな一面など、様々な発見がありました。東京女子流としての新たな一面をお届け出来そうな予感です!

円陣をしないとステージには絶対に上がれない
──グループ内での決め事や、ライブ前のルーティーンはありますか?
Y: ライブ前は必ず円陣を組んで気合を入れます! みんながいるから大丈夫って思えるし、お守りみたいなものなので、円陣をしないとステージには絶対に上がれない…
A: うん、「上がらない」ですね。
一同: (笑)
N: スタッフさんから「時間なので急いで」って言われても「円陣していないから待って下さい!」って言うよね。
──円陣って聞くとすごく体育会系のイメージですね(笑)
Y: そんなに押忍! っていう感じではないんですけど…やってみますね!
──え、いいんですか⁉

一同: 「みゆ・ゆり・ひとみ・めい! 東京女子流ファイトー! 緊張なし! エンジョイ!」
──おお、ありがとうございます‼ (拍手)
Y: これに加えて、友梨と芽生はお互いに背中をドンッと叩き合っています。
──やっぱり体育会系…(笑)
一同: (笑)
N: でも初めて私たちのパフォーマンスを見てくれる人たちからは、体育会系というかアスリートみたいって言われることがよくあるんですよね。私たちは通常のライブだと12曲ぐらいやるんですけど、多いときは1日で80曲ぐらいやったときがあって。
──えっ⁉ 80曲も!
N: だから体育会系といえば体育会系なのかも(笑)
Y: 確かに「東京女子流ってそんなに動くんだ! 運動量すごい」ってよく言われるよね。
──東京”女子流”というグループ名と、なんとなくギャップがあるのかもしれませんね(笑)
A: ギャップでいうと、私たちはクールな印象を持たれていることが多くて、イベントで一緒になった他のアイドルの子たちからも「ずっと喋りかけづらかったです…」って言われることがよくあるんですけど、全然そんなことなくて。私たちをずっと応援してくれているファンの方からは「女子流って意外とポンコツだよね」って言われますし、私たちめっちゃ喋るし(笑)
──では、ライブ前も楽屋でみなさんずっと喋って過ごしているんでしょうか?
Y: そうですね。私たちはジャンケンで決めるっていうのが決まり事でして。
A: 基本的にはお弁当ジャンケンだよね(笑)
Y: 何種類か用意していただいたときに「どれにしようかな~迷うな~、っはい! ジャンケン!」みたいな感じでワイワイやっています(笑)
N: やっぱりライブ前はテンションを上げたいので、お弁当ジャンケンで盛り上がってから「美味しいね」ってみんなでお弁当を食べたり、とにかく意識的にコミュニケーションを取ることをすごく大事にしています。

今の自分たちにとって財産になった
──ここ数年はコロナの影響でライブが中止になることも多かったですが、そんな中でも新曲を発表されたり、Youtubeで活動したりと、これまで止まらずに活動されてきましたよね。このような期間を経て、気持ちの変化はありましたか?
N: 私たちはライブをメインに活動してきたので、直接歌とダンスを届けられないっていう状況には戸惑いましたし、お客さんたちと顔を合わせてライブを伝えられていたっていうことはすごいことだったんだって思いました。そんな中、配信という形でライブをやってはいたんですが、このまま忘れられちゃうんじゃないかっていう不安はありましたね。でも配信だからこそ「映像から飛び出すぐらい私たちの気持ちが伝わるように表現しなきゃ!」っていう部分はすごく考えたので、表現の幅はすごく広がったと思いますし、鍛えられた期間だったと思います。
A: わたしも、配信ライブというかたちの中で身に着けた自分たちの「魅せ方」を、今のイベントでは発揮できているんじゃないかと思います。あと、今はお客さんの前でライブできるようになりましたけど、お客さんたちは声を出せないので、声を出さなくとも楽しめるように振り付けの一部をみんなでできる振り付けに変えてみたりとか、よりみんなと楽しめる空間作りを考えるようになりました。
──なるほど。配信ライブが、表現やライブというものを見つめ直す機会になったと。
S: 私は常に柔軟でありたいなって思うようになりました。このコロナ禍で、急に配信だけのライブになったりとか、会場の半分だけお客さん入れられるようになったりとか、状況がコロコロ変わっていく中で、どういうかたちでライブを届けるのがその時のベストなのかっていうのをたくさん考えましたし、それに対応するための柔軟性を身につけないといけないなって。ライブができなくて、SNSでの発信だけしかできなかった時期もあるので、東京女子流を忘れられないために、リモートでMVを作ってみたりとか、慣れないzoom配信をしてみたりとか、「チーム女子流」としてみんなでアイデアを出しながら活動を止めなかったっていうのは、今の自分たちにとって財産になったというか、良い経験になったと思います。
──みなさん状況を受け入れて、前向きに考えられていたんですね。
S: 自分たちとしては止まっていられないなというか、逆に燃えたっていうか…。
──やっぱりみなさん体育会系ですよ(笑)
一同: (笑)

やっぱり歌とダンスで音楽の楽しさを伝えていきたい
──では最後に、グループとしての今後の目標教えてください。
Y: 今年12周年なので、年女グループなんですよ。なので、うかうかしてられないなというか、勢いを大事に活動していく一年にしたいと思っています。8月にアルバムも出るので、わたしたちが伝えたい根本の部分は大事にしつつ「今年の女子流はすごいぞ」って思ってもらえるように頑張るので、ファンのみなさんも私たちについてきて欲しいです!
A: 去年はシングルをたくさん発売させていただいたので、今年は毎月やっている定期ライブで東京女子流の楽曲をたくさん披露していきたいですし、定期ライブだからこそ見られる私たちの自然体の姿を、みなさんにも見にきて欲しいなと思っています。
N: 今年は東京女子流のファンクラブ「Astalight*」のメンバーをもっと増やしていけたらと思っています。先日、故郷である関西で2年ぶりにライブをさせてもらったんですけど、このコロナ禍で行けていない地方もたくさんありますし、全国に東京女子流を好きになってくれる方を増やしていきたいと思います。たくさん曲を届けられるように頑張ります。
S: デビュー当時から、歌とダンスで音楽の楽しさを伝えていきたいという気持ちは変わらず持っているので、やっぱりライブは私たちにとって大事な場所ですし、そのライブを楽しんでいただけるように表現の仕方はどんどん進化させていけたらなって思っています。今度出るアルバムはいろんな視点から楽しんでいただけるものになっていると思うので、まだ私たちに出会っていない方も、久々に聴いてみようかなっていう方でも是非アルバムを手に取っていただけたらと思います。

Q.「シュッとしてるもの」って何だと思いますか?
N: 私が思い浮かんだのは、太ももの筋肉のラインですね。メンバーの足も、綺麗に線というか筋が出ていて、ちょっと変態チックかもしれないですけどシュッとしてるなって思います(笑)
Y: シュっ=機敏に動けて仕事ができる人っていうイメージです。
A: 顔の骨格ラインと、消毒液のシュッていう…音ですかね(笑)
S: 私は未夢かな。フォルムも性格も無駄を削ぎ落した人っていう感じがして、未夢は無駄がなく自分を貫いている感じがするので!

Q.自分の名前で缶詰を出すとしたら、中に何を詰めますか?
N: 私めっちゃいいこと思いついたんですど、開けたらその時にその人が一番必要としているものが出てくるなんてどうですか⁉
Y: えっどういうこと? ドラえもんみたいなこと? 難しくない?(笑)
N: 確かにドラえもんになっちゃうか…じゃあこれは一案として…(笑)
S: じゃあちょっと優しくされたいなってときは友梨ちゃんが出てきて、癒されたいなって思ったらひとみちゃんが出てきて…
──なるほど! 小っちゃいみなさんが出てくるんですね!
S: 最近だらけてるからシュッと喝を入れて欲しいなって思ったら未夢ちゃんが出てくる。
一同: じゃあ芽生ちゃんは?
S: 私…はオマケみたいな(笑)
一同: (笑)
配信シングル 『Dear mama』好評発売中!

母へ贈る感謝を込めたメッセージソングで、歌詞はメンバーが涙ながらに書いた手紙を元に作成。「見送りの日、母親の涙が見えて、これから上京する私は必死に気づかないフリをした」というエピソードなど、切なさを噛み締めながらも東京女子流として夢に向けて突き進んで行く決意も描かれた一曲です!
【 ダウンロードサイト 】
東京女子流

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今年でデビュー12年目を迎えたアイドルグループ。2度の武道館公演を経験し、海外での活動も日本国内と同時に精力的に行っている。メンバーの好きな漫画は【山邊『鬼滅の刃』(集英社刊)】【新井『君に届け』(講談社)】【中江『NOBELU-演-』(小学館刊)】【庄司『スラムダンク』(集英社刊)】
撮影:青谷建
