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マグカンさんの作品:第22回MAGKAN漫画賞、結果発表!

第22回募集、銀賞1作品、銅賞1作品、期待賞1作品、ノミネート4作品選出!

多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…? (2月末締切分)

 

雪解けの魔法
星灯れぬ

 

あらすじ
「魔女」が存在する国で、教会に代わり「魔女狩り」を行う組織に所属する主人公・カイン。魔女により両親を殺された過去を持つカインは、魔女が潜んでいるという孤児院に潜入することになるのだが…。
作品講評
物語を引っ張る、地に足がついたキャラクターを作り出すことに成功している。魅力的なキャラクター達の心情を、最後まで丁寧に描ききったことも高評価へ繋がった。物語の展開に準じた、読者の目を惹く画面作りは実に素晴らしい。今後は画面の整理を心がけながら、ますますの飛躍に期待したい。
≫ 受賞作品を読む!

 


何をやっても憑かれない
鉤間 雪虫

 

あらすじ
降霊・憑依が必修科目となった日本。降霊させることすらままならない落ちこぼれの高校生・羽降輝とは対象的に、同級生の宮代呼青は憑座(よりまし)の才を遺憾なく発揮していた。特段接点のない二人だったが、下校中に羽降が泣いている呼晴を目撃し…。
作品講評
丁寧な線と読者を引き込む巧みな展開が評価され、今回の受賞に繋がった。やや粗さは残るものの、演出力にも光るものを感じた。反面、力のある作者だからこそ、霊のディティールにはもう少し気を配ってほしかった。また、カメラワークもバストアップのカットが多いので、よりスムーズにキャラクターたちの状況が伝わるよう工夫が必要。次回作での更なる成長を期待。
≫ 受賞作品は5月1日公開

 


除霊師ハルカは幽霊が怖い!

モんぺ

 

あらすじ
除霊師・秋冬ハルカの除霊方法は少し変わっている。それは、幽霊の「性的なものが苦手」という特性を利用した、エロくないのにエロく聞こえる単語の朗読! しかし、助手のメメちゃんと共に挑んだ霊にはそれが効かないようでして…。ドタバタ除霊百合コメディー誕生!
作品講評
魅力的なキャラクターと、最後まで読者を飽きさせないエンタメ性が評価された今作。作者のバランス感覚の良さと、前作からの成長ぶりには感服。今後は更なる成長に期待しつつ、作者の「色」をもっと作品に投じてみてほしい。また、軽やかさの中でも読者の記憶に残る印象的な台詞やシーンを入れることができるようになると更に面白くなるだろう。
≫ 受賞作品を読む!

 


ミラクの幽霊

かきのたね

 

あらすじ
理久が目を覚ますと、そこには全裸の男が…!! 状況を察して慌てて部屋を去ろうとする理久だったが、流星群を観に行こうと流されるまま車に乗せられる。しかし、その道中でだんだんと男の不自然な行動が見えてきて…。
作品講評
今回も美麗且つ、キャラクターの繊細な表情変化が見事だった。前作で課題と指摘された、奥行きのあるドラマ性を追求しようという気概も十分に感じられた。しかし、導入の立ち上がりは良かったものの、伏線の回収や流星群の設定が上手く機能しきらなかった点が惜しい。次は持ち前の武器を活かしながら、情報の出し方を整理して読者の読みやすさを意識してほしい。次回作に期待。

 

デカへのプレゼント
王子エンジ

 

あらすじ
母の退院を心待ちにしている少女・デカ。退院祝いのプレゼントを用意しようとするものの、金銭的に苦しい生活を送っている彼女にはプレゼント代を用意することも一苦労。悩んだ末に商売道具であるミシンを手放し、無事にプレゼントを買ったのだが、母の様態は悪化して…。
作品講評
作品にマッチしたインパクトのある絵柄と、切れ味抜群の毒のある結末。作者のポテンシャルを大いに感じさせる作品であった。しかし、ストーリー構成の割には少し物足りなさを感じてしまったのも事実。全体的にもう少し背景の描き込みが加わり、独自の世界観を存分に押し出すことができていれば、もっと高い評価が得られたであろう。若き期待の星として、今後に期待。

 

のくち
はるろを

 

あらすじ
一年待ちの寿司の名店に予約していたことをすっかり忘れ、全く「寿司のくち」じゃない日にその時がやってきてしまった。なんとか「寿司のくち」になるべく、友人と共に水族館へ行ったものの、やはりそうなるはずがなく…。
作品講評
作者の個性を感じる可愛らしいキャラクターデザイン、小気味のいいテンポで広がる会話の応酬が楽しく、要所要所で笑わせられた。反面、シンプルな会話劇である分、画面の変化が乏しく、まどろっこしさを感じてしまうのが惜しい。テーマ選びにはセンスが光っているため、インパクトに欠けた印象を持たせないよう、コマ割りや背景、物語の演出面で読者が飽きない工夫を突き詰めてみてほしい。

 

俺のフェチを満たすのは他の子じゃダメなんだ
未河ヤキ

 

あらすじ
露出度高め=エロいという常識を覆す至高の神アイテム・縦セーター。そんな服を着た女性にフェチを感じる先輩・遠崎実理の頼みで、強引に縦セーターを着せられた海塚 青。蒸し暑い文化部の部室で熱中症にかかってしまった青は理性が崩壊し、実理に言い寄って…!?
作品講評
描き手の熱量がひしひしと感じる作品。見せたいシーンも大胆に描けていてインパクトがあった。魅せる演出が巧みである反面、キャラの押し出し方が表情のみに偏りを感じ勿体ない。ヒロインが先輩をどうして好きなのか等、二人の関係性の説明が乏しいのでストーリーが浅く感じてしまう。今後は魅せる演出を際出させる為にもドラマづくりの部分に注力してほしい。ポテンシャルの高さに期待大。

 

【総評】

第22回 MAGKAN(マグカン)漫画賞。
今回は銀賞1作品、銅賞1作品、期待賞1作品、ノミネート4作品を選出させていただきました。
ご応募くださいました皆様に心より感謝申し上げます。

銀賞を受賞した『雪解けの魔法』は、魔女狩り組織に所属する主人公と魔女の疑いをかけられている少年の交流を描いたファンタジーヒューマンドラマ。説得力のある丁寧な画面作りと読み応えのあるストーリー構成、そして効果的な演出…。とにかく非常に完成度の高い作品であった。あえて述べるとしたら、もう少し序盤からクリスの不気味さを読者に印象づけてほしかった。ひとえに「不気味」と言えども、不気味の解釈は人それぞれ。どういう行動や発言が他の人と違って「不気味」なのか、作者の意図をもう少し強調しても良かったように思う。とはいえ、今後の活躍に大いに期待している。★本作は4/1更新のMAGKANで公開しております。是非ご覧下さい。

続いて銅賞を受賞した『何をやっても憑かれない』は、劣等生と優等生が対照的な悩みを持ちながら親睦を深めていく物語。シンプルな設定と要素でありながら、読者の手を止めない構成力と演出が巧い。キャラクターたちの魅力が等身大で描かれていた点も魅力的だった。ただ、背景の描き込みやカメラワークにはまだまだ課題も感じる。また、読者のニーズに合わせた絵柄の模索も必要だろう。次回作では、より読者目線を意識した作品作りを目指してほしい。★本作は5/1更新のMAGKANで公開予定です。

期待賞『除霊師ハルカは幽霊が怖い!』は、エロい単語を武器に除霊を行うハルカと、その助手であるメメちゃんの百合コメディー作品。性的なものと幽霊を掛け合わせた作品はよくある設定だが、幽霊にヌートリアを選択するところやキャラクターたちの小気味良い会話に作者のセンスを感じる。エンタメ性の高さは素晴らしいが、今後は背景や小道具の描き込みを強化しつつ、より読者を惹きつけるために緩急の効いたストーリー展開と演出を磨いてほしい。★本作は4/1更新のMAGKANで公開しております。是非ご覧下さい。

『ミラクの幽霊』はノミネート受賞。理玖とそうたのすれ違いを軸に、時空を超えて紡がれる切なくも温かいBLストーリー。読後感が良く、まだ粗さは残るものの、華のある画面作りやキメゴマの演出にも一つ飛び抜けたものがあった。期待賞まであと一歩だったのだが、課題は構成力。限られたページ数のなかで何を省略し、読者をどこに注目させるのか。力業ではなくストーリーで読者を引き込むテクニックを身に着けてほしい。

続いて『デカへのプレゼント』もノミネート受賞。病気の母を支える少女のダーク系漫画。アダムスファミリーを彷彿させる作品に合った絵柄はインパクトがあり面白い。しかし、アプローチは良かったものの、ストーリーの説得力が弱かった印象。厚みと奥行きのあるドラマ性、そしてキャラクターにもう少し生々しさを感じられたら、より読者を惹きつけられただろう。ポテンシャルを活かした次回作に期待したい。

『のくち』もノミネート受賞。可愛くて脱力感のある絵柄と、センスのある会話劇。なんとかして口の中を「寿司を食べたい」状態に持っていこうとする斬新なテーマにも作家のオリジナリティを感じ好印象。ただ、展開の動きが少ないがために画面の変化が乏しく、淡泊な印象を受けた。今回のような日常系の会話劇を中心に漫画を描く際は、もっとキャラクターの個性を出しつつ、画面のメリハリを意識してみてほしい。

最後のノミネート受賞作『俺のフェチを満たすのは他の子じゃダメなんだ』は、縦セーターが性癖である主人公が、なんとかして可愛い後輩に縦セーターを着てもらおうと奮闘するラブコメ作品。キャラクターの表情がバリエーション豊かに描けており、「ここを見てほしい!」という作者の執念を感じた。一方で、キャラクターたちの内面的な魅力が見えてこなかった点が勿体ない。また、オチまでにもう一つアイデアや仕掛けがあると、より良い読後感が生まれたと思う。作品を読んだ読者にどんな感情を抱いてほしいのか、そこを考えながら次回作に取り組んでほしい。

▶▶▶次回は2024年・春(締切:5/31当日消印有効)。

優秀な作品は即掲載、関西の編集者が担当に付き、ともに連載獲得を目指すことができます。また受賞に至らずとも可能性を感じる才能の原石には編集部から担当希望のご連絡を差し上げることも。
ここから将来、日本を代表する作家さんが誕生することを心から願って――皆様のご応募、心よりお待ちしております。


多数のご応募ありがとうございました!
みなさんの応募をお待ちしております!

第23回の締切は2024年5月31日!
≫ 応募作品募集中!

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29日前