

関西にいる「シュッとした」人たちから「シュッとした」お話を聞きたくて始めた、MAGKANインタビューコーナー!
第三十五回は、
兵庫県姫路市出身、 ボーカル&ダンスグループ「Jewel」のamiさん にお話をうかがいました! TikTokに始まり、投稿動画で人気を博した経緯やご自身のオタク趣味について語っていただいたインタビューです。
「ami」さんって?
ボーカル&ダンスグループ「Jewel」のメンバー。TikTokやYouTubeで終始関西弁で話している動画配信を始めたことで人気に。漫画『ハイキュー!!』、『ジョジョの奇妙な冒険』(ともに集英社刊)等への愛を語るものや、体を張ったネタ動画が多く、TikTokは約77万フォロワー、YouTubeは約26万人のチャンネル登録者を有している。

友人と話す時もテンション的にあんな感じ
──関西弁で繰り広げられるネタ動画がおもしろくて、本当に今すごく人気がありますよね。
ami(以下、a): いやぁ~、そんなそんなですよ! ただやりたいことをやってたら、観てくださる方が増えていったので、嬉しいです。
──ご友人と話す時も動画のような感じなんでしょうか?
a: そうですね、テンション的にもあんな感じです。最初はちょっと恥ずかしくて、大ふざけするのはできなかったんですよ。インターネットって何人もの人に見られるところなので。とりあえず踊ったものをアップしているうちに「ネタを撮るほうが自分がやってて楽しいな」と思って。それでだんだん慣れてきて、毎日動画をあげていたら見てくれる人が増えていきました。
──オタク趣味に共感して見ている方も多いですよね。
a: ここまでオタクを出すつもりはなかったんですよ。自己紹介とかで「アニメよく観ます!」くらいのつもりだったんですけど。中学・高校ではずっとオタクなのを隠していたので…。
──隠されていたんですね!
a: 勝手な想像と偏見で、上京する時にまぁビビってて(笑) めっちゃ関西弁だし、しかもアニメ好きのオタクと思われたら浮くかなぁと思って…。
──今20歳でいらっしゃいますよね。昔に比べたら今の若い方ってオタクに対してイメージが変わってきているから、オタク発言しても平気なのかなと勝手に思っていたんですが…。
a: いや、思います!(笑) 今思い返したら、別に言って良かったと思います。私の勝手な思い込みだったんですよ。田舎から出てくるってだけで意気込んで、身構えてて。当時は芸能活動でもアニメが好きとはあんまり言ってなかったんです。
──未知の都会だからこそ「浮いたら嫌だ」とは思ってしまいますよね。
a: でも、昨年から動画投稿している中で、アニメや漫画が好きっていうネットの方たちもいっぱいいたので、「ここでなら出してもいいかも」と思えて。だから自分の好きな『ハイキュー!!』とか『ジョジョの奇妙な冒険』のネタ動画を撮るようになりました。見てくれる方が増えたのもこれがきっかけかもしれません。

ありのままをさらけ出せるような場所がひとつできた
──「オタクだった」と知ったご友人たちの反応はありましたか?
a: 「あ、知ってたよ」って。
──え!?
a: 知ってたみたいです(笑) 「あ、なんや~」って(笑) それもあって、「敏感になってたのは自分だけやったな、言っても良かったんやな」と思えました。
──発言でバレていたんでしょうか?
a: たぶん、そうだと思います。高校は部活も入らず、授業が終わればダンスや歌のレッスンに一目散に行って、夜まで練習するから授業中は寝ちゃってて。「ぼーっとしている生徒①」って感じだったんですけど、バレてました(笑)
──ファンの方からたくさんコメントが届いているかと思いますが、いかがですか?
a: いや~、ただただ驚きと…ちょっとこう、自分の中で、ありのままをさらけ出せるような場所がひとつできた気がして嬉しかったです。ネットって普通に生活しているよりも多くの人に触れる場所ではあるんですけど、対面じゃないからか、恥ずかしがらずに好きなことができて…。何か不思議なんですけど。受け入れてもらえるのが心強くて、安心して自分をさらけ出せるのがいいなって思います。
──『ハイキュー!!』が一番お好きなんですよね。
a: 漫画やアニメにガーッとハマったきっかけでもありますね。うちの家族みんな漫画やアニメが好きで。叔母も好きなんですけど、それで勧めてもらって。「あ、めっちゃ好き」ってなってハマりました。
──推しはどのキャラなんですか?
a: 音駒高校のリベロの夜久衛輔です。その単推しだったはずなんですけど、試合が進むごとに高校が増えてきて、「あっれ~、なんかこの子もいい!!」ってなってきちゃって。推しが増える一方です。入れ替わらず、登場人物が増えたら開拓されています。
──最終回あたりでは盛り上がりがすごくて、沸いちゃいましたね。
a: ん~! 沸く! わかります、わかります! 完結しちゃって寂しいんですけど、アニメの続きを楽しみに生きています。
──東京オリンピックの日本の男子バレーボールは観られましたか?
a: 観ました、すごかった…。「うわぁ~っ!!」ってなりました。フェイクセットには「及川さんやん~!」「これできる人いるんやぁ」って思いました(笑)
※「及川さん」…『ハイキュー!!』のキャラクター
──スポーツ自体もお好きなんでしょうか?
a: できないからこそカッコいいなと思うので、実際に観に行くのも好きです。今はJewelのグループとして、バスケットボール女子日本リーグ”Wリーグ”の公式応援アーティストを務めさせていただいてて、それがきっかけで観戦もさせていただくようになってからはバスケにもハマりました。
──女子バスケもオリンピックは熱かったですね…。
a: 熱かったですね~!! びっくりした~!! 友達とかにもずっと勧めてはいたんですけど、オリンピックでやっとしっかり観てくれて、「勧められてた理由がわかった」って言ってもらえて。自分のことのように嬉しかったです。
──動画ではグッズが飾られているところや、イラストを完全に再現したコスプレ姿もありましたが、それぞれこだわりはありますか?
a: グッズに関しては、目に見えるところに置いておきたいので、こまめに拭いて掃除しています。自分の部屋が本当に…こもる部屋みたいな、狭い部屋なのでフィギュアスタンドに入れると全然置けないんですよね。ケースに入れずにそのまま置いているので、大事に拭いて。ポスターも壁を傷つけないようにマスキングテープと磁石で何とかやっています。
──所狭しとグッズが並んでいるので大変だと思うんですが、愛ゆえですね。
a: コスプレに関しては本当に家にあるものでやっているので、本格的に職業としてやっている方々に比べたら全然なんですけど…。でも、ひたすら作品へのリスペクトを込めてます!!!
──家にあるもので『新世紀エヴァンゲリオン』を再現されている動画は特におもしろかったです。
a: いやぁ~ありがとうございます。めちゃめちゃ嬉しいですね。もうひたすらね、あれを家で一人でやっているので。「こうかな~? あ、ちょっとここのパーツ、缶バッジにしようかな~」って一人でこう…。それが楽しくて「なんか似てないな…ちょっと後ろのとこを絞るかぁ」とか、「やっぱ家にあるものやったらキツイかぁ…」とか言いながら、そーっとお母さんの部屋を覗いて「あ、このベルト…ちょっと借りよ」とかやってます(笑)

JR姫路駅に行くのにも一時間に一本しか来ない電車に乗っていくような田舎だった
──動画でもこのインタビューでもずっと関西弁ですよね。
a: 関西弁ってめっちゃ残るんですよね。ぜんっぜん消えなくて。上京したのが中学生だったので、母と一緒に東京へ出てきたんですけど、家の中での会話はずっと関西弁なので、それもあって消えないのかもしれません。
──兵庫県姫路市ご出身とうかがいました。
a: そうです。小学5年生からダンスを始めて、放課後はダンススクールにずっと通う生活でした。ただただダンスが好きで、ずっとダンスをやっていたいなぁと思っていた小学6年生の時に、流行っていたダンス雑誌でダンスグループを募集する記事があって。その雑誌には同世代の子がダンスのできるモデルとして載っていたので、余計に「あっ、やってみたい…」と思って。
──あれだけ歌が上手なので、歌も最初からやっていたのだと思っていました!
a: あ、全然違うんですよ。歌を始めたのはもっと後です。でも、歌とダンスのオーディションを受けてみよう、とかいろんな挑戦をしていってJewelに繋がりました。
──それで中学生になって、上京されたんですね。
a: 「上京」っていう言葉も知らないくらいの年齢でしたね。JR姫路駅に行くのにも一時間に一本しか来ない電車に乗っていくような田舎だったんで、東京なんて「大都会や~ん」ってビビッてました(笑)

声も柔らかく、かわいいのを意識して歌った
──8月26日に初のソロ楽曲を発表されましたが、このお話を受けた時の率直な感想を聞かせてください。
a: 思いもよらないお話だったので、本当に嬉しかったです。しかも、TikTokがきっかけでお話をいただいたんですよ。知り合いの作家さんと「TikTokで使える曲を遊びで作ろうよ~」となんとなく作って、ネタに組み込んで動画を投稿していたんですけど、それを観た方が声をかけてくださって。ネタ系動画ばかりであまり歌ものをやっていない中で、三本くらいあげたオリジナル楽曲がきっかけで始まったことにすごくびっくりしました。自分が想像もしていない方が観てくださっているんだな、って。
──仕上がりを初めて聴いた時はいかがでしたか?
a: 初めて作詞を一人でやったので、それが形になったことに感動しました。この曲自体、『かわいすぎる男子がお家で待っています』(集英社刊)という少女漫画をテーマに作る「ヨムオトプロジェクト」という企画で。もともと読んでいた漫画だったので、歌詞を作る時にもう一回読み直したんですけど、「印象的なフレーズはこれかな~」「二人の雰囲気を曲にするなら、一番は出会いで二番はコミックスの三巻のところらへんまでいこうかな」って、漫画ベースで考えられたので、想像が膨らんで楽しかったです。
──曲の中で注目してほしいポイントはどこですか?
a: 漫画の雰囲気を出すためにかわいい楽曲になっていて、それに合わせて声も柔らかく、”かわいい”を意識して歌ったので、ちょっと恥ずかしいんですけど…そこを…。あと、周りの方々にアドバイスをいただいて、支えてもらいながら一生懸命作ったので、何度も聴いてほしいですね。
──Jewelとして活動するamiさんを、動画のファンの方にも知っていただきたいですね。
a: TikTokを始めたのも、今やっている自分の活動を一人でも多くの人に知ってほしいと思ったのがきっかけだったんです。でもJewelでの自分とTikTokでの自分は、自分でもわかるくらい違う姿で。TikTokの姿も私なんですけど、Jewelの時の私も私なので、これからいろんな面を知っていただきたいなと思います。
──今後挑戦したいことは何ですか?
a: 今、私はネタ系の動画編集を好きなようにしているんですけど、どんどん動画編集にハマっていってて。自分が歌うのも好きなので、それをミックスさせられないかって最近考えているんです。自分で歌った楽曲のMVとか撮れたらいいなぁと思っているので、今後挑戦してみたいですね。頑張ります!!

Q.「シュッとしてるもの」って何だと思いますか?
a: ワンちゃんのマズル(鼻先から口周辺の部分)ですね。私、あそこが大好きで。お家でトイプードルを二頭飼っていて、トイプードルはシュッていうよりモコモコ系だと思うんですけど、そのモコモコをキュッと手で押さえて、シュッとさせるのが好きです。
Q.自分の名前で缶詰を出すとしたら、中に何を詰めますか?
a: めちゃめちゃおもしろい質問ですね。自分を缶詰にするなら…「おうち時間めっちゃ上手いやつ」ですかね。
──amiさんそのものが入っている…?
a: そうですね。なので、おうち時間の過ごし方のレクチャーをして、アドバイスして帰ります。自粛期間に入ってから家にいることが増えたんですけど、意外と暇なくやりたいことがいろいろ出てきて(笑) ふとした時に「スン…」とはなるんですけど(笑) 「私、一人で何やってるんやろ…」って。でも楽しいことが多くって。
──動画を撮る以外には何をされているんですか?
a: 絵具で絵を描くのが好きなんです。水彩画とかそういう専門的な知識や技術は全然ないので、好き勝手に描く感じなんですけど、高校時代の絵具セットで好きに描いています。
──わ~、その絵もいつか動画で見てみたいです!
a: 嬉しい~! ちょこちょこJewelのグッズで描いたりはしてるんですけど、ドドーンッって出せるほどの自信がなくて。自分的にいいなって思えるものを描いて出せるように、頑張ります!
2021年8月26日 デジタルシングル「ちぐはぐ」リリース

原作のマンガを活用したミュージックビデオを制作・配信する「ヨムオト」プロジェクトの1つとして、集英社の漫画アプリ「マンガMee」連載作品『かわいすぎる男子がお家で待っています』(作者:高瀬わか)とコラボ。
「泉ノ波あみ」名義でマンガを元にオリジナル楽曲を書き下ろし。
「お嫁にきてください」というマンガの印象的な一言から始まる、マンガの世界、主人公のハルとレオの関係を絶妙に描いたミディアムラブソング。
配信URL: https://smr.lnk.to/l9hO62
ヨムオト「かわいすぎる男子がお家で待っています」
YouTube: https://youtu.be/b_pwGdprz2M
ami

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兵庫県姫路市出身。ボーカル&ダンスグループ「Jewel」のメンバー。2010年、「J☆Dee’Z」を結成。2014年9月24日、シングル『Beasty Girls/Let the music flow』でメジャーデビュー後、2019年にグループ名を「Jewel」に改名。現在はグループでの活動のほか、SNSへの動画投稿で人気を博している。
