

人魚の夢
大原咲良
あらすじ海辺の町で噂される“人魚の夢の伝説”。昨晩その夢を見た少女・海原は思いを寄せていたクラスメイト・空野に羨望の眼差しを向けられる。だが、夢の内容が「人魚に出会う夢」ではなく「人魚に“なる”夢」だったことを言い出せずにいた彼女は……。
作品講評人魚の伝説を通して少女の淡い恋心や葛藤がうまく表現されていた。また、主人公を取り巻く個性的なクラスメイトとそのディテールに作者の拘りが感じられる。反面、情報が精査しきれていない印象が残るのでもったいない。特に“人魚の夢の伝説”は人魚の恋の物語と、それを夢に見る予言的要素で構成されているので複雑な印象が残る。今後は読み手の立場になった作品づくりを追求してほしい。伸び代に期待大。

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第11回 MAGKAN(マグカン)漫画賞。今回はノミネート1作品選出という結果になりました。
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。そのような状況下にも関わらず今回は海外からもご参加いただく有り難い機会となりました。ご応募いただいた皆様に心よりお礼申し上げます。
『人魚の夢』は、人魚伝説をテーマにした少女の恋のものがたり。
本当のことを言えない自分(主人公)を伝説の人魚の状況と重ね合わせたり、夢占いを用いて物語に起伏を生み出すなど工夫が感じられた。読後感も◎。作画に関しては気持ちが込められたページとそうでない部分が明らかなので、クオリティにムラがでないように注力してほしい。最後まで丁寧に作品に向き合うことが今後の課題。
次回は2021年・夏(締切:8/31当日消印有効)。
優秀な作品は即掲載、関西の編集者が担当に付き、ともに連載獲得を目指すことができます。また受賞に至らずとも可能性を感じる才能の原石には編集部から担当希望のご連絡を差し上げることも。ここから将来、日本を代表する作家さんが誕生することを心から願って――皆様のご応募、心よりお待ちしております。