第25回募集、期待賞1作品、ノミネート3作品選出!
多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…? (11月末締切分)
初恋ラウンドリー
鳳 朔
あらすじ
特別よりも平凡な日常を愛する遠藤くんは、学校一の変わり者・近内(ちかうち)さんとお付き合い中。だけど、遠藤くんは近内さんとの関係を周りには知られたくないようで…。
作品講評
可愛い絵柄と心地良い空気感が漂う画面作りが評価された作品。女の子のキャラクターも魅力的で、髪に結ばれた風船のように軽やかに近づく彼女に翻弄させられた。ただ、二人の状況や心情が読み取りにくく、中途半端な印象で終わってしまった点が惜しい。読者に何を感じてもらいたいのか、読み手の目線を意識した次回作に期待している。
≫ 受賞作品は2月1日公開
針の跡
もふもふスカラベ
あらすじ
エジプト神・ヘカが神になる前、彼はファラオ(王)の次男として人間界で生活をしていた。「人間となり、次のファラオに選ばれること」。それが、神になるために課せられた試練だったのだが…。
作品講評
エジプトの壁画を意識したキャラクターデザインと、作品の世界観がマッチしていた。決めゴマやアクションシーンに動きと迫力があって良かった。しかし、物語の情報整理がまだ拙い。見てほしい絵とセリフを一致させることや、重要な内容は一呼吸置いて読者に理解してもらう場所をつくることを意識してほしい。
嘘つきなあいつ
はやみいづる
あらすじ
マジメな小学生・柿原と、変わり者の小川。柿原は馴れ馴れしくふざけた態度を取る小川を疎ましく思っていたが、ある日給食のおかずを溢してしまったことの身代わりになってくれて…。
作品講評
演出力、表現力が高く没入感を覚える作品。作中では少年の成長やこの年代ならではのフラストレーションなど、感情が巧みに描かれていた。キャラクターの表情も豊かで好印象。描き手の実力が窺える反面、作画の仕上げの甘さやストーリーがあっさり終わってしまい、勿体ない。独自の作風とセンスがあるので、今後も読者の感情を動かす作品づくりを追求してほしい。
ドクター・ゼンカモノ
荒谷夏来
あらすじ
若手警察官の蓼丸(たでまる)は、先輩の勧めでとある連続殺人事件の容疑者・淀野の自宅を訪れる。彼は5年前に「遺体活花事件」と呼ばれた事件の犯人で、遺体の小腸を盗んだことのある「前科者」の医者だった。監視も兼ねて、蓼丸は捜査の協力を求めるが…!?
作品講評
「捉えどころがない」というキャラクターを、説明だけでなく表情も含めて魅力的に描かれているのが非常に良かった。その一方で、前作より画力が格段に向上しているものの、デッサンや背景のディティールに違和感を覚える部分がところどころあるのが勿体ない。どうしても物語に没入しづらくなってしまうので、完成度をより高めていってほしい。
【最終候補】
デスロードVSアリ ~天下分け目の戦い~
酒井祥多
【総評】
第25回 MAGKAN(マグカン)漫画賞。
今回は期待賞1作品、ノミネート3作品を選出させていただきました。
ご応募くださいました皆様に心より感謝申し上げます。
期待賞を受賞した『初恋ラウンドリー』は、彼女のことが大好きな男の子とちょっと不思議な女の子の恋愛模様を描いた作品。キャラクターも画面の作り込みも可愛く、少ないページ数ながらも見応えを感じた。特に、自信のない二人がお互いの気持ちを確かめ合うシーンはとても美しかったものの、会話の掛け合いや過去と現在のシーンの間合いが少々ぎこちなく感じ、勿体ない。次回作での改善と今後の伸びしろに期待。★本作は2/1更新のMAGKANで公開予定です。
『針の跡』は、エジプト神話に登場する「ヘカ」という神を題材にした作品。初投稿ながらノミネートを受賞。後半に向かって加速していく緊迫感とスピード感が気持ち良く、カメラワークも巧みであった。ただ、視覚的な変化を感じにくい画面であったため、背景の描き込みを増やしたり、イメージの投入があると更に読みやすくなっただろう。次回作に期待。
『嘘つきなあいつ』もノミネート受賞。多感な年頃である小学生たちの葛藤を、見事に表現した力作。主人公のイライラした気持ちが画面越しから伝わってきて、ほろ苦い気持ちにさせられた。表現力が優れていただけに、作画が勿体ない。描線がやや雑にも受け取れてしまうので、滑らかな線を引く、しっかり繋げる、といったペン入れを意識したり、トーンの使い方も見直してみてもいいかもしれない。今後の成長に期待。
そして『ドクター・ゼンカモノ』も同じくノミネート受賞。新米刑事が前科のある医者と共に事件解決を目指すバディもので、医者のゾクッする表情の描き方が実に上手い。ただ、丁寧に描かれたストーリーラインが好印象だった反面、警察組織の設定や作画のディティールの甘さが気になってしまった。違和感があるとページをめくる手が止まってしまうので、細部まで気を抜かずに作り上げてほしい。次回作を楽しみにしている。
▶▶▶次回は2025年・冬(締切:2/28当日消印有効)。
優秀な作品は即掲載、関西の編集者が担当に付き、ともに連載獲得を目指すことができます。また受賞に至らずとも可能性を感じる才能の原石には編集部から担当希望のご連絡を差し上げることも。
ここから将来、日本を代表する作家さんが誕生することを心から願って――皆様のご応募、心よりお待ちしております。
多数のご応募ありがとうございました!
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第26回の締切は2025年2月28日!
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