
関西にいる「シュッとした」人たちから「シュッとした」お話を聞きたくて始めた、MAGKANインタビューコーナー!
第三回は、
劇場版アニメ『PEACE MAKER 鐵』市村鉄之助(青年期)役の梶裕貴さんと、市村鉄之助(少年期)役の小林由美子さんに、2018年9月15日から京都国際マンガミュージアムで開催されている黒乃奈々絵先生の原画展『PEACE MAKER 鐵 原画展 -京都幕末新撰組異聞-』に訪れた感想をうかがいました!TVアニメやドラマCDの頃から役を務めるお二人の想いに触れるインタビューです。

改めて、黒乃先生はすごい先生だなって思いましたね…。
──原画展に来られていかがでしたか?
小林:圧倒されました。漫画で見るのと原画を見るのではこんなにも迫力が違うんだなって。泣きそうになってしまって…。油小路のあたりからは別れの連続なので…ついつい。
梶:連載開始当初、黒乃奈々絵先生はまだ10代だったとお聞きしました。その歳でここまで人の心に訴える絵や演出を表現できるのかと感動しました。本当に、天才っているんだなって。
小林:約20年前の絵だとは思えなかったです。改めて、黒乃先生はすごい先生だなって思いましたね…。全然変わらない。絵はすごくカッコよかったり可愛かったりするんですけど、内容や絵から受ける印象はすごく男臭いので、だからこそ幅広い年代と性別関係なく、20年愛され続けているんだろうなあって、理由がわかりました。
梶:どういう環境で育って、どういう人生経験を積めば、あそこまで壮絶な「生死」というものをテーマにして表現できるのか…。すごく不思議で、興味深いです。
小林:もうちょっといたかったです!もうずっといられちゃう!みたいな感じでした(笑)
梶:そうですね。全てのコマを解説付きで見てみたくなりました。
──お二人とも、一枚一枚を丁寧にじっと眺めてらっしゃいましたもんね。
梶:はい。あ、僕はまだ黒乃先生にお会いできていないので、いつかお話してみたいです。

小林:絵のイメージとは全く違う方なんですよね。ギャップがあります。
梶:なんか、血まみれの侍みたいな人が出てくるんじゃないかなって…。
──え!?(笑)
小林:筆持って、うあぁあ~!って言って?(笑)
梶:くらいの(笑)
死ぬ時のシーンはどこもすごく静かで、それがまた良くて、きますよね。
──一番印象に残っている原画はどの部分でしたか?
小林:私は全部なんですけど、左之(原田左之助)と新八っつぁん(永倉新八)との別れのシーンのペン画が特に…。とうとう、新八っつぁんが一人ぼっちになっちゃったのかあ、と思って。ひとり、もう本当に別れていくんだなあって、ぐっときてしまって。泣いてしまうと思いながら見ていました。
──今は黒乃先生はデジタルで原稿を進めてらっしゃるのですが、ペン入れはアナログで描かれているので、ペン画も少し展示されているんですよね。ペン画だけでも迫力を感じました。

小林:どれも渾身の一ページ一ページだなあって。本当に、見に来る価値があると思います。
梶:僕はやっぱり、油小路で三馬鹿(永倉・原田・藤堂)ですかね。みんな“笑っているけど泣いている”あのシーンがすごく印象的でした。あとは、鉄(市村鉄之助)と鈴(大和屋鈴)がまだ仲が良かった頃のシーンと、龍馬(坂本龍馬)が斬られるシーン。『PEACE MAKER 鐵』は新撰組を主人公に描いているわけですけど、でも龍馬たちの側からしたら、「ワシらの希望」だと思っている龍馬が殺されてしまう描写もあって。
小林:それぞれが正義を持っているから…。
梶:誰が悪いとか正しいとかではないんだな、と改めて。
小林:そんな激動を描いているんですけど、死ぬ時のシーンはどこもすごく静かで、それがまた良くて、きますよね。派手にドーンじゃなくて、丁寧に丁寧に静かに息を引き取っていくところが生々しいというか。ぐっときちゃいますよね。

梶:そうですね。あとは、沖田さん(沖田総司)が山南さん(山南敬助)を…。
──山南の切腹の介錯をするシーンですね。
小林:ちょっとした思いのすれ違いで、話せばわかったのかもしれないけれど、きっとそれが許されない時代だったのかなあ、とか。考えさせられるシーンですよねえ。
梶:はい…。
悔いが無いように、自分がしたいように思うように生きてほしい。
──原作では、これから鉄之助がどんどん北へと向かっていくのですが、そんな鉄之助に一言伝えるとしたら、どんなメッセージを送られますか?
梶/小林:ええ……。
小林:鈴と仲直りしないかなあ…(笑)せめて鈴とは…。うーん、なんか、なんだろなあ、がんばれ!!(笑)

──(笑)
小林:もうなんと言葉をかけていいのやら…。
梶:思うままに生きろ、ですねえ。自分のあるべき姿って自分の中にありつつ、周りにとっての自分がどうあるべきかを人は考えちゃうと思うんです。でも、何が正しくて何が間違っているのかなんて誰にもわからないわけですし、結局は生き残った人たちが歴史になってしまうわけで…。だったら悔いが無いように、自分がしたいように、思うように生きてほしいなと思いますね。
──今回、原画展に来られたのは劇場版アニメの後篇である『PEACE MAKER 鐵 –友命-』の収録前なんですよね。
梶:そうなんです。黒乃奈々絵先生初の原画展……しかもそれが京都で開催されて、運良くそのタイミングに拝見できてすごく嬉しかったです。「鉄之助たちには、こういうドラマがあって今に繋がっているんだ」と改めて振り返ることができました。鈴と鉄之助が仲良かった頃の原画を見て…今後、いずれは鈴と相対さなければいけない事実に、より胸が痛くなりましたね。
小林:本当に、収録前に見られて良かったです。改めて思いが引き締まりました。
『PEACE MAKER 鐵 原画展 -京都幕末新撰組異聞-』2018年11月6日まで京都国際マンガミュージアムにて開催中。
『PEACE MAKER 鐵 –友命-』2018年11月17日劇場公開予定。
Q.「シュッとしてる」ものって何だと思いますか?
梶:…先輩の、背中です。
小林:(笑)
梶:特に『PEACE MAKER 鐵』という作品は、キャラクターたちがまずシュッとしていますし、現場も演技派・実力派の皆さんばかりが集まっていると思うので…自分もちょっとでもシュッとしなきゃな、と思っています。

小林:そしたらじゃあ、後輩の努力ですかねえ…。
梶:いやいや、お気遣いありがとうございます(笑)
小林:あと…シュッ…としたいな、と思います。
梶:自分がシュッとしたい(笑) いや、シュッとしていたいですよね。
小林:何事にもシュッとして、のぞみたいなと思うんですけど。
梶:言いたいだけですか!?(笑) これ文字にしたらシュッシュシュッシュばっかり書いてありますよ!(笑)
小林:いや実はこの関西弁、気に入っちゃったんですよ(笑) シュッシュシュッシュ言いたい!(笑) シュッとしたい!(笑)
Q.自分の名前で缶詰を出すとしたら、中に何を詰めますか?
梶:僕は“役”ですね。今まで演じてきたキャラクターたち。それか自分の缶詰自体は空で、それが作品の中に入っているみたいなイメージ。
小林:じゃあ私は、小林由美子の声が入っていて、開けて少し経つと、梶裕貴の声になる缶詰。熟成されていって、ある程度大きくなって、少年期から青年期になると梶裕貴の声になるっていう…。
梶:熟成?(笑) すごい。じゃあ僕もほしいです。由美子さんの声を出せるんですもんね、途中までは(笑) いいなあ、ぜひ売ってください!

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